2009-09-01から1ヶ月間の記事一覧

チューニング

この世には「ラジオの国」という国がある。いくら探し求めても見つからない国で、できるのはその国から送られてくる声にただ耳を傾けること。この世にはラジオの国から追放された人間たちがいて、彼らは永久に電波を手探りし続ける放浪者になる。もしかして…

こうもり

本を買いに自由が丘へ。大岡山⇔自由が丘を歩く。途中、緑ヶ丘⇔自由が丘の遊歩道では夕暮れの空をこぶりのこうもりが飛んでいた。「一生懸命生きていれば、明日が待ち遠しいっす」 これは昨日観た芝居のセリフ。人を信じられない、でも幸せになりたい人々の舞…

厄介なこと

ちっとも学ばない。今度は豆腐チゲを作りすぎて、明日まで三日連続チゲ食。おでんほどは、つらくない。「どんなに人は、千差万別あるとはいえ、私のことを分ってくれ、ほんとの私はこれだ、と訴えつづけていることだろう。わざと隠しながら、分ってくれ、見…

支配と服従

今夜もおでんを食べた。作りすぎて毎日おでん。つらい。韓国のハンセン病の島を舞台とした文学作品の翻訳企画を編集者とやりとりする。島を舞台にした、当事者たちが知らず知らず巻き込まれていく、支配と服従、権力と抵抗の物語。ワインを一本あける。

いもじょも

おでんを作る。ベケット「ゴドーを待ちながら」、草森紳一「本の読み方 墓場の書斎に閉じこもる」を斜め読む。水牛老師の聞き語り本のプロローグ原稿を書く。頭痛がする。珈琲を飲む。1961、ひっくり返して反対から読んでも1961。小さな発見。小島信…

1Q60年代

ラジオからは広沢虎造の次郎長伝が流れている。鋳物工場の近代化についていけず、組合と言えばアカだと思い、どんな仕打ちをされても親方を立てたい職人気質の父ちゃんがいる。貧しい者は、貧しいゆえに、自分を高める機会に恵まれないのかと疑問を投げかけ…

呟く

9月13日、日曜日、twitterで初めて呟いてみる。 朝から夜にかけて。横浜→大井町→大岡山。電車の友は『道化師の恋』金井美恵子、『闇の奥』コンラッド。 5日前に目黒で『闇の奥』をぱらぱら覗き込んでいたときには、BGMにビートルズのwhite albumのナ…

歌い、観る

11日、上智大学ミュージカルサークルの公演「Earnest in love」を神楽坂で観る。歌い踊るのを楽しんでいる様子はなかなかよし。この子達は、ミュージカルが大好きなんだろうな…、と「好き→突き動かされる」という一直線な心と体の動きを、微笑ましく、羨まし…

…いいたまえ、何を見たまいしや? byボードレール

さてさて、小島信夫の『私の作家遍歴』を読み始めたら、あんまり面白くて、他のことが手につきません。予定していた仕事が全く捗りません。正直、最初は、「まずは小泉八雲を語るのね、ふーん、どれどれ」くらいのものだったのだが…。ちょっと、これは類まれ…

書くこと、考えること。

ウィトゲンシュタイン曰く「思考するとは、シンボルを操作することだと言えるだろう」(哲学的文法?)、「「だが、記号操作は機械的に行なうこともできるではないか」―確かにそうだ。つまり、記号操作もまた、それが機械的でないと言いうるためには、特定の…

愚劣さ

5日(日)、東急文化村オーチャードホールで「ワーグナー・ガラ・コンサート」。「タンホイザー」序曲、「トリスタンとイゾルデ」前奏曲と“愛の死”、「ワルキューレ」第3幕。ワルキューレを聴くと条件反射で「地獄の黙示録」を思い出す。ブリュンヒルデ役…

未知の故郷

サローヤン『人間喜劇』の人々が暮らすイサカは、放浪の末に人間がたどりつく「故郷」であるらしい。ここにやってくれば、故郷を探し求める人間たちの旅も終わるらしい。イサカはホメロスの手になる「オデュッセイア」の主人公、トロイ戦争の英雄オデュッセ…

うるわしき日々

名古屋に暮らす弟夫婦が久しぶりに上京。台風余波の雨の中、車で我が家まで来てくれた二人と、環七沿いの「木曽路」ですき焼き。美味。文芸創作を受講した学生たちの課題が続々届く。ひとりひとりにコメントを送る。20歳でしか書けないような文章に出会う…