2010-03-01から1ヶ月間の記事一覧

島から島へ。

本日より、友人の結婚式出席のために、3日間、熊本。久しぶりに、石垣島のナミイおばあや水牛老師とも再会する。熊本で行なわれる披露宴の場で、八重山の歌を聴けるという、嬉しさ。 李静和『つぶやきの政治思想』とサローヤン『The human comedy』のpaperba…

済州島で出会った詩

済州島で詩人 許栄善(ホ・ヨンソン)さんと知り合った。彼女が四・三事件の記憶のあとを連れ歩いてくれた。四・三の記憶を言葉にしていくことの痛みと苦悩を聞いた。彼女の詩を翻訳しようとして、その痛切な心と言葉を日本語に置き換えることの難しさに呻吟…

それを言葉化したいねん

金時鐘詩集『失くした季節』の言葉を拾い読む。八十歳の詩人の疾風怒濤の言葉。 テロも行き会えないから 人だけが ただ死ぬ。 せめてすれ違えたなら 俺こそが テロリストだ。 (金時鐘「蒼いテロリスト」第一連) 言葉がそこらで降り敷いています。 耳をそば…

イヤダカラ、イヤダ

本日は神保町にて「ヨミ会」。「阿房列車」を読んでいたら、内田百輭が台湾でキョン(百輭曰く、痩せた猫くらいの小さな鹿)を欲しくなったということを書いていて、ツボにはまる。『がきデカ』の「八丈島のキョン!」を思い出して、「イヤダカラ、イヤダ」…

私には分からないのです

済州島の民謡の名唱 コ・ソンウクさんからいただいた済州民謡のCDを聴く。島の響き。韓国語の響きの中から、八重山で聴いたユンタのような響きが立ちのぼってくる。 なんだか、懐かしいと聴くうちに、いきなり虚をつかれたのが、「行喪歌」(弔いの葬列の…

空白で、つながる

済州島4・3事件 (1948年4月3日〜1954年9月21日) 軍・警察・極右青年団によって虐殺された人々は2万5千〜3万名。 つい最近まで、済州国際空港滑走路脇の土中にも、数多くの犠牲者が埋められたままだった。 語りえぬ記憶とともに埋められた死者の魂を慰め…

イオド(イオ島)、あるいは常世の島、もしくはパイパティロマ

済州島に廃校を利用したギャラリーがある。キム・ヨンガプという写真家の写真だけが展示されているギャラリー。韓国本土から島にやってきて、ひとり山を歩き、海を眺め、光を待ち、一日に一枚、島を撮りつづけ、やがて病に倒れて、この世を去ったのだという…

島へ行く。

詩は書くものではない。そうあるべきものなのだ。 by 金時鐘明日から済州島。この数年間の島伝いの旅のつづき。