2016-09-01から1ヶ月間の記事一覧

沖縄に行く前に、これは観なくてはと思っていた。

山城千佳子『創造の発端 −アブダクション/子供ー」を新宿で観てきた。 面白かったなぁ。プレスリリースにこうある。 - 「山城は、これまで沖縄戦の記録と記憶の継承に始まり、在沖米軍基地によって引き起こされる沖縄が抱えてきた複雑な状況と向き合い制作…

ヨブ記をパッと開いてみたのだ。

神と称する者に、「怒るな」と言われたのだった。 「怒りをもってこの世を変えることなどできぬのだ」と言われたのだった。 「この世の不条理をおまえが怒りをはらんだ声で語るとき、まるで私が責められているように感じるのだ」と言ったのだ。 私はひどく驚…

リービ英雄が語る、古井由吉との「書くということ」をめぐる対話。

「書くということは本質的に、どこか母語の外に出て、戻ってくるということ。ぼくがはじめてこういう話をしたのは、作家デビューをする前、古井由吉という、誰よりも日本語を、まさに母語として極めた作家と話したとき。そのときに、書くということが、日本…

トークイベント前口上

<韓国の小説を読む愉しみ>のために。 まずは、私、姜信子の韓国文学体験。 植民地期の李光洙をはじめとする作家や韓龍雲をはじめとする詩人たち、戦後では崔仁勲、李清俊といった重厚な作家たち、少し変わったところでは李外秀といった作家。かなり偏りが…

いまふたたびの、はじまりの荒野

<1>「旅と物語」。そんなテーマの会に参加することになって、「遠い東のチャガイ」のことを思い出した。ロシア極東へと流れていった朝鮮人たち、後にスターリンによって中央アジアに追放され、一代ごとに生きる場所を変え、旅を生きてきた人々。高麗人か…

 現代民話考⒑『狼・山犬 猫』より

むがす、むがす、あつとごぬ、おずんつぁんど、おばんつぁんが、えだんだと。おずんつぁんが、めえぬず(毎日)えっしょけんめ(一生懸命)かしェえで(稼いで)家さ帰っても、おばんつぁんは、あてげえわり(接待が悪い)んだど。ほんで、おずんつぁんは、…