2017-04-01から1ヶ月間の記事一覧

シカラムータの大熊ワタルさんの連載がはじまった!

「「生き生きと幸せに」――チンドン・クレズマーの世界冒険」。 これが連載タイトル。 第一回は、「NYにエコーしたイディッシュの記憶」 これが実に面白かった、なにより刺激的。音楽っていいなぁ、ほんとうに。 クレズマーとは、東欧系ユダヤ人の民衆音楽…

四月十七日夜 篠田正浩監督、亀戸にて、「語り」を語りつくす

今宵もまた遅くまで夜の街を野良犬のようにうろうろ、昼間の生暖かさは、夜には冷たい雨に変わっていました。今夜は亀戸で映画監督篠田正浩の、「語り」をめぐる話を聞いてきたのです。篠田正浩といえば、私にとっては「心中天網島」「はなれ瞽女おりん」「…

物語化を拒否する「傷」がある。

与えられる物語ではなく、新たな物語を創造しようとする傷がある。 傷は永遠の底なしの穴としてそこにある。物語はいつも「穴」から生まれる。 古い物語を飲みこんで、噛み砕いて、捨て去る穴。 それ自体は物語になりようもない、取り返しのつかない穴、ある…

それは金石範の営為でもある

私たちは、死者に正義を還さなければならない。 by パトリック・シャモワゾー 『思想としての朝鮮籍』(中村一成著 岩波書店)より

2017年7月2日は東中野・ポレポレ坐へ!

1年半ぶりに、佐渡・猿八を本拠地とする人形浄瑠璃一座 猿八座の東京公演です。しかも、400年ぶりに猿八座によって復活上演された「山椒太夫」全6段のうち、見せ場を選り抜き、4段を上演。 (全6段公演は、新潟県上越市高田の世界館にて毎年4月に催さ…

第一章 「戦後日本」に抗する戦後思想(中野敏男)

【問題提起】 1.そもそも、本当に、敗戦によって日本は大きく生まれ変わったのか?2.「天皇制」を戴く民主国家、日米安保体制とセットの「平和主義」、戦争が生みだした特需で繁栄を経済復興を成し遂げた「基地国家」、という現実と、「平和と民主主義」…

文藝2017夏号 特別対談  赤坂憲雄×小森陽一「東北独立宣言(とーほぐどぐりつすんべ)― 井上ひさしをめぐる地方・言葉・文学」

この対話を読んで、あらためて日本の近代って、何だったのか、民主主義って何だっだのか、をつくづくと考えた。たとえば、宮本常一が『忘れられた日本人』で描いた村共同体、村の寄り合い民主主義というものがある、それが根を断ち切られ、近代という仕組み…

『平成山椒太夫 あんじゅあんじゅさまよい安寿』(せりか書房)をめぐって

新潟日報 2017年3月26日書評面「ほんを語る」より。 「旅する作家の姜さんは、名もなき人の話を聞き、聞いた言葉を「声で書きたい」という。」 「「声で書く」とは、語りを通して一人一人の記憶を呼び出し、それぞれの物語が生きる場をつくること」