2018-06-26から1日間の記事一覧

第11章  「国家に抗する社会」   未開社会は国家なき社会である。 この一文ではじまる。

これを、未開から文明へという進化論的な発想でとらえれば、西欧近代の思考の枠のなかで、西欧近代の外の世界を説明することにしかならないだろう。 国家をもつ社会が文明の到達点か? まさか。 「未だに野蛮なままにある人々をそうした場に留めているものは…

いきなり 第七章 「言葉の義務」に飛んで読んでみる。「語ることはまずなによりも、語る権力を持つことだ」。これが冒頭の一文。

「「君主であれ専制王であれ国家元首であれ、権力者は常に語る者であるばかりでなく、正統なる言葉の唯一の源泉なのだ」 「それは命令(戒律)と呼ばれ、命令を実行する者の服従以外のなにも望まない」「あらゆる権力奪取はまた言葉の獲得でもある」 「国家…

第二章  いったん頭から西欧的な権力の思考を外したところから問いを立てる

「権力行使の手段をもたぬ権力とは一体何なのか?」 「首長に権威がないのなら、首長は何によって定義されるのか?」 1.首長は「平和をもたらす者」である。 (戦時にのみ強制力をもつ権力が出現する。戦時首長)2.首長は自分の財物において物惜しみをし…

権力について、真剣に問うことなどできるのだろうか。 という問いから第一章「コペルニクスと野蛮人」ははじまる。

この章にかかれていることは、冒頭に置かれたエピグラムの言葉に尽きるのだな。「旅に出て、少しも心を改めることのない人があった」という話にソクラテスはこう答えた。「ありそうなことだ。その人は、自分を携えたまま旅をしたのだ」(モンテーニュ) 権力…