2018-07-17から1日間の記事一覧

舟をつくること。そこにすべての「命」の歌がある。 台湾・蘭嶼、タオ族の倫理。

★5歳の時、1962年9月の舟の完成祝いの祝賀会の情景。 父の語り聞かせてくれた物語を、50歳のシャマン・ラポガンは繰り返し夢に見る。 「山の深い谷間で干上がった川の丸石に、五人の男たちが老人を囲んで座っている。彼らはコーヒー色のからだをして、タオ語…

台湾の蘭嶼の先住民タオ族の社会では、子を持つようになると、「孫の父」「こどものお父さん」と呼ばれるようになる。作家シャマン・ラポガンは、「ラポガンの父親」なのだ。

土地とともに、そこにある生態系のなかの命として、循環のなかで生きるということ。そのつながりのなかの「命」の呼び名を、そこに見るような思いがしたのです。 蘭嶼の海洋民族たる先住民の暮らしも、この半世紀の間に、台湾政府の開発(漢化という名の近代…