2021-01-16から1日間の記事一覧

小野十三郎による谷川雁と黒田喜夫。  森元斎『国道3号線』からの重引

谷川雁と云えば、すぐ私の頭に浮かぶのは黒田喜夫である。一人は北九州、一人は東北の詩人で、地理的にも対極にあった詩人だが、黒田喜夫にもあったコンミュンのイメージは、谷川君とは、対極とは云えないにしても、ちょっと存在の次元がちがっていた。黒田…

渡辺京二による石牟礼道子 「彼女の文学は庶民文学ではないのです」 

自分たちの世界に向けられた近代知識人のまなざしを否定して、逆に自分たちの生活世界から近代の正体を明らかにしてゆくところに石牟礼文学の本質があると申しましたが、その際彼女は決して被抑圧者としての民の利害や言い分を代表するという方向をとってお…