文章教室

金井美恵子の「文章教室」(河出文庫)を読んでいる。

ちょっとこれは面白すぎる。書いた本人も言っているとおり、傑作。

初版が1985年、二十数年前に書かれた小説で、
それゆえに当時のニューアカと呼ばれていた現象やら言説やら風俗やらも描かれているのだが、
(というより、見事にバッサリ斬られて、料理されている)、
それが当時大学生だった身には痛いほど愉快痛快なほどリアルで、しかも、そのリアルさというのは、
現象ではなく、その現象を引き起こす人間のほうを怖いくらいに観察して(?)、
突き放して書いていることからくるものであるゆえに、
今も変わらず恐ろしいほどリアルで、もう参りました、という感じになる。

いや、とんでもなく面白い。
とんでもなくコワイ、金井美恵子……。