fool on the hill

昨夜は日本橋で文学少年少女組の宴。少年たちは、たどり着けない、安部公房的、「わが心の地平線」の彼方を見つめて語り続ける。少女たちは、読み終わった瞬間に幻と消えて何が語られていたのかまるで思い出せない空虚な「小説」群について、あーだこーだ。消えちまうならしょうがない、でも、読んだ時間までもが一緒に消えてしまうのはかなり癪、いいさ、消すに消せない厄介なヤツを私らは読むさ。

一昨日の夜は自由が丘。ある人のお宅に伺い、今まで誰にも語ることのなかった記憶のきれはしを受け取る。同時に覚悟を迫られる。「この記憶を手にするということは、政治の闇にも関わるということだよ、あなたみたいなノンポリには信じられないことが当然のことのように起きている血なまぐさい闇、その闇を自分のうちに抱え込む覚悟はあるの? 抱え込んで、どうするつもり?」

どうするのか、今ははっきりしたことは言えないけれど、抱え込むことへの覚悟はあります。記憶のきれはしはこれからもいただきに参ります。そう答えた。黙って頷く記憶の主。しかし、ホントに、どうするつもり、ジブン?

「回らぬ車輪をひとりの愚か者が押していく」。帰りがけ、記憶の主に、手渡された言葉。