偏屈

『ひそやかな歌声 ―島とおばあとハンセン病と―』。7月5日より熊本日日新聞でスタートの短期連載のタイトル。毎日曜掲載、全6回。5月に訪れた鹿児島鹿屋の星塚敬愛園でのハンセン病市民学会交流集会の体験がもとになっている。あのときに感じた予定調和の空気へのほんの少しの違和感が根底にある連載。真剣に、意識的に、へそまがりに、予定調和に少しだけ不協和音をぶつけて、書いている。

大学に提出する履歴書を書く。書かねばならぬ項目が多すぎて、それを鬼のように書き続けて、くたびれる。履歴書を書くうちに、自分が何をして今まで生きてきたのかを、あらためてつくづくと思い出す。(というか、履歴書的事実は時系列できちんと書き並べてはみたが、あのとき、なぜ、そのようなことをしていたのかとなると、さっぱりわからん、という感じなのである。それを一生懸命考えながら、書く)。何を考えて、どこを旅して、何を書いて、どう生きてきたのか……。いやはや、別人に出会ったような驚き。別人の履歴書を書く私は、一体何者よ?

雨が降っている。