雑録

済州島
相変わらず、バスに乗れば、ラジオが流れていることが多い。つい先日乗った市外バスの運転手さんは、かかってきた電話に出て、運転しながらしばらくの間携帯で話していた。

みかん。日本人は皮をむいてから二つに割って食べる。韓国人はいきなり二つに割って、皮をむく。いま市場に出ているのはハウス物が多い。大味で美味しくはないが、やけに高い。

体力が落ちて、おなかに力が入らなくなると、韓国語もだんだんぼろぼろになってくる。韓国語は口先だけではうまいこと話せない。

雨のため、韓国最南端の島マラドには、予定をずらして29日に行くことにした。マラドの名物はジャジャン麺。(ジャジャン麺は、韓国人が大好きな、甘くて、とろりとした、こげ茶っぽい色のあんをかけた大衆的な麺。韓国的中華。日本にはない)。なぜ、マラドでジャジャン麺、なのかといえば、韓国での携帯の普及と深い関係がある。

済州島で本を買うなら、市庁前の耽羅図書(タムナトソ)。でも、品揃えはきわめてよくない。学術本は図書館に行くか、ネットで買う。人に借りた本で必要なものはコピーする。コピーは一枚40ウォンほどだったかな。定価1万5千ウォンの本(294ページ)を、両面コピーで、製本まで頼んで、コピー屋さんにコピーしてもらったら、1万ウォンできれいに仕上がった。大学周辺には複写 복사 という赤い大きな文字の看板を出したコピー屋さんがある。図書館でももちろんコピーができる。

昨日より知恵熱。知人が薬局で薬を買ってきてくれた。全身症状に対する葛根湯と、咳と喉の痛みに対処するタブレット錠と。「これ、同時に飲んでいいの?」「大丈夫」。韓国では薬をめぐって、いつもこういうやりとりをする。なんとなく薬の量が多いか、効き目が強いような気がしなくもない。

神話、伝説、民俗、43関係の本をダンボール一箱分、先に日本に送った。日本円にして3500円ほど。なのに、また本をいただいたり、うっかり買ってしまったり…。

こちらで知り合った方たちと、夜は日式の店で食事。あらためて書くまでもないことだが、日式とは言っても、けっして純和風ではない。もともと大人の和食が苦手な私には、韓国風にデフォルメされた和食は、時に、そのデフォルメの具合で到底手の付けられない難物になる。昨夜の日式は途方に暮れた。デフォルメの余地のない焼き魚とスイカに救われた。