「ぎぃぃぃぃ」と「にぃぃぃぃ」の間

最近のハコちゃん。まだ生後4ヶ月だから、明確な言葉をしゃべるわけもないのだが、なにやら不満で異議申し立てをする時には、「ぎぃぃぃぃ」のような「にぃぃぃぃ」のような、その間で揺れ続けるような表記不可能な音を出して泣いて訴える。歯が生えていれば、きっと、歯噛みをしている。そんな音。
そうか、そうか、君の気持ちはよくわかる、歯がゆいなぁ、と言いながら、昭和歌謡・童謡・アニソン大メドレー大会を繰り広げて、歌の渦にハコちゃんを巻き込んでいく。(たぶん、呆気に取られて、泣き止むのよね)。

闇にかくれて生きる おれたちゃ、妖怪人間なのさ、……(早く人間になりたーい)……。 「妖怪人間ベム」の素敵な主題歌。特に反応なし。反応がよかったのは、「五匹のこぶたとチャールストン」、たぶん、抱っこしながら歌いながら踊ったから。リズムは大事。

『おやすみなさい。良い夢を』(三山桂衣 講談社)をジャケ買い。ページを繰るごとに、本の精がそこはかとなくゆらゆらと行き過ぎるような、もう読まなくても、眺めているだけ、撫でているだけで満足、というような気分にさせる本。

ずっと「故郷」のことを考えている。正確には「故郷」でも「異郷」でもない「どこか」のことを考えている。言葉になかなかならなくて、ハコちゃんと一緒に「ぎぃぃぃぃ」⇔「にぃぃぃぃ」。