あたまの底のさびしい歌




かまくらブックフェスタで、以前から気になっていた本を一冊購入。『あたまの底のさびしい歌』(宮沢賢治 画:川原真由美 港の人)。賢治が友人・家族に宛てて書いた11通の手紙。それは私宛てに書かれたものでもあるよう。時に私が書いたものであるよう。




賢治が、1919年に、友人保坂嘉内に宛てた手紙の一節。

この道を行くときはまこと、この道を去るときはいつわり。私はいまも数しらぬあやしいものの 右から左前からうしろとはね飛ぶなかを おぼろに白い道をふみ はてもしらずはてもしらぬかの大城に向かって 行きます。
さよなら。
もう一度読んで見ると 口語と文語が変にまじっています これが私の頭の中の声です 声のまま書くからこうなったのです。
あたまのなかのさびしい声
あたまの底のさびしい歌


私の書いた手紙への受取人からの返信はまだなく きっとずっとこないような気もする そのうち思いもよらぬ人からの返信を受取るような気もする。手紙というのはそういうもののようでもある。