旅の言葉

菅江真澄遊覧記』を読む。

「里なかの路をくると、藁葺きの小さな家でもの音がしているのを、ひとがたたずんで聞いている。何だろうと思ってうかがえば、眼の見える梓みこが弓をはじきながら、亡き霊のことばをあたかも傍にでもいるように語り、未来のことを掌を指すように予言するので、人々は涙をこぼして泣いている様子であった」(巻1「小野のふるさと」より)


「十一日、庚申待ちで一夜を語りあかすと、梁にとまっている鶏が鳴いた。さて寝ようとすると、地震が強くゆれた。そのとき人々は声をそろえて「万歳楽万歳楽」と唱える」。(巻1「小野のふるさと」より)


「歌は神の教えとして聞くべきもの」(巻1「外が浜風」より)