罪を離れなさい。

風邪の微熱とともに年末年始。熱があることに気づきさえしなければ、まことに元気です。筒井康隆の短編に、死んだことに気づかずに明るく生きているお父さんと、気づいていて悲しみをこらえている家族の風景を描いた短編があったなぁ。気づかなければ、人間、死んでも生きる、生きていても死んでいる。気づかないことの幸せと不幸せ、気づくことの幸せと不幸せと……。

元旦の浅草。夕刻。木馬亭での新年の初仕事を終えた浪曲玉川奈々福と1月21日に新潟で行われる語りと歌をテーマとした会の打ち合わせ。都営浅草線の浅草駅から浅草寺脇の木馬亭まで30分もかかるほどの人混み。歩行者天国になっている大通りには世界の終末を告げるキリスト教の何派だかの人々の黄色いプラカードがそこかしこに。目の前には「罪を離れなさい」とある。はい、肝に銘じます。