厄介な人

東京・馬喰町art+eatにて、ルパン4世こと、編集者竹中さんといろんな企みのためのランチ。
この場所でどんなことをしようかとひそひそと。近々実施予定の「行けるところまで行く福島」ツアーの行程についても打ち合わせ。私はとにかく常磐線でとことこ行きたい。

方丈記私記』(堀田善衛著 ちくま文庫)、するめのような、グミのような味わいの面白さ。堀田善衛方丈記から読み取る鴨長明という男は、たいそう厄介な人。物事の本質がそこそこ見えてしまう賢しさと、なんでもそこそこできてしまう小器用さと、プライドゆえに、はぐれ者の人生行路を独りゆく人。


「世にしたがへば、身くるし。したがはねば、狂せるに似たり。いづれの所を占めて、いかなるわざをしてか、しばしもこの身を宿し、たまゆらも心を休むべき」鴨長明


あーあ、どうしましょ、この人、とため息をつきたくなるような厄介さ。(困ったことに、こういう厄介さに私は親しみを覚える)。堀田善衛は長明のことを「心よりもからだの方が先に身を起し、足の方から歩き出してしまう行動人」とも評する。うっかり衝動に突き動かされる人。


「忍ばむと思ひしものを夕ぐれの風のけしきにつひにまけぬる」鴨長明