Talk to her

ペドロ・アドモルバル作品を観る。いままで、なんとなく、タイトルが目に(心に)入って来なくて、観ることがなかったのだけど、ロック仲間の内藤クンが面白いからと「talk to her」のDVDを貸してくれた。

いきなりピナ・バウシュのダンスシーンからはじまり、そしてまたピナ・バウシュのダンスで終わる。
その間には、植物状態で沈黙する彼女たちにひたすら語りかける男たち。絶望と再生。

アドモルバルの表現の身体性について、深く考えさせられる。

カエターノが、劇中で、<ククルクク・パロマ>を歌う。

http://www.youtube.com/watch?v=-CsA1CcA4Z8

ウォン・カーワイの『ブエノスアイレス』の冒頭のイグアスの滝の場面でも使われた印象的な歌。

夜が来るたび、ただ泣くだけだったという
何も食べようとせず、ただ酒を浴びていたという
その叫びを聞いて、空さえ震えたという
彼女を想って苦しみ、死の床についても彼女を呼んでいた
彼は歌っていた、彼はうめいていた
心を焼きつくし、彼は死んだ
哀しみにくれた鳩が朝早くから彼の為に歌うだろう
扉から扉へと、孤独な彼の家へ向かって
きっとその鳩は彼の魂そのものなのだ
いまだに彼女が戻ってくるのを待っている
ククルクク、鳩よ
ククルクク、もう泣かないで」
(トマス・メンデス作)