一本の花、一つの言葉、一つの詩、一つの存在。

草津・栗生楽泉園の闘う詩人谺雄二の本作り、佳境。
聞書をまとめていると、時折、思わず、その言葉の切なさ、深さ、重さに涙ぐむ。


秋山駿『地下室の手記』を眺めている。以下、抜き書き。

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論理を捨てよ。内部の音楽を鳴らせ。

沈黙するもの。
絶対に沈黙のなかにいるもの。
沈黙のなかで静かな発狂の熟しているもの。

そうだ。人間は一つの音楽のようなものだ。そのもっとも高い音から、もっとも低い不気味な音までが叩かれねばならない。

生きる。その底を掘ってみよ。入り組んだ骨の中心には断続する単一の声がある。私とは何か。
私の骨の中心の記録。

いまの私にあるのは渇くような苦痛の声だ。それを描け。

私を開放すること。

一本の花、一つの言葉、一つの詩、一つの存在。

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もっと文学の方へ、歌うように、旅して、生きたいと思う。