今日は13回目の父の命日だったんだなぁ

と、『ワンダーボーイ』を読み終えて、不意に思い出した。


父を亡くした少年は、
(大切な人を失くした少年は)
3000億の星がある銀河で唯一生命体があると確認されている地球にあって、
(つまり、3000億分の1の孤独の星である地球で)、
これまで1065億人の人間が存在した地球に生きるひとりである。
(つまり、1065億分の1の孤独を生きている)。


3000億分の1の孤独の地球よりは、まだまし。1065億分の1の孤独は。
それにしても1065億分の1とは、かぎりなく0に近い。と思うならば、思える。
3000億の1の孤独の地球の夜は、かぎりなく暗く思える。


でも、恋をしたならば、大切な人に出会ったならば、
銀河のうちの3000億分の1の星で、1065億分の1の特別な存在が目の前にいるということを知る。
その地球の夜が暗いはずがないとも思える。


果てしない孤独の夜と、朝方の光へと向かう顔。
この二つの間に、ひとりの少年――ワンダーボーイ――の物語がある。