さらに安丸良夫『神々の明治維新』をチェック

備忘メモ


1.神仏分離の影響をもっとも強く受けたのが、修験
  神道とも仏教とも区別しがたい行法、呪術。そこに神仏分離が持ち込まれれば、
  信仰の内実そのものが失われる。

  
  とりわけ、佐渡の場合は、本山派六十八か院のうち三か院が還俗神勤したほかは、
  ことごとく帰農を命ぜられ、生活の基盤を失った。


2.蔵王権現、仙元大菩薩、弁財天、秋葉山三尺坊など、
  神仏混淆の民間宗教の神道化の強要。


3.神田明神の祭神の変更の強要。祭神の将門を境内の末社に祀りかえる。


4.村々の神社を体裁よく改める。そのために神を取り換えもする。


5.氏神なき一向宗門徒の村に、鎮守を祀らせる


6.疱瘡神、稲荷、大歳神、山の神、賽の神、地主神等々に、あらためて神名を定める。
  一村一社とは限らぬ氏神、氏寺、多くの小祠が、国家による体系化からはじきとばされる。


7.民俗信仰とその行事・習俗の廃絶。たとえば道祖神祭とか。
  祭りを担う若者組の、祭礼時のはみだしぶり、秩序攪乱を押さえ込む。
  

8.未開・野蛮の風習として、民俗的信仰・習俗を抑圧


9.乞食、辻芸、門芝居等、賤敷遊業渡世の禁止。猥雑な旧習として。


10.民俗信仰は猥雑な旧慣と一括。
  啓蒙的態度のほうが、強権による禁止より始末が悪い。
  自由な選択とされてはいても、開明的・文明的選択への方向付けがある。
  同調圧力


11.国家的課題に合わせて人々の意識を編成替えするという課題の、強烈な提示。