金石範「在日朝鮮人文学」より

ことばが開かれたそのときはすでに想像力の作業によって虚構の世界が打ち上げられたときであり、虚構はことばに拠りながら同時にことばを越えたものとしてある。



それはまたイメージ自身がことばに拠り、それに拘束されながら同時にそのことばを蹴って飛び立つもの、ことばを否定するものとしてあることではないのか。



文学は言語以外のものではないが、同時に言語以上のものだというのはこの謂である。