藤本和子『塩を食う女たち』を読む。 つづき

 

「塩喰い共同体」から。

 

「黒人社会で生起することがらの半分も英語では描写しうたいあげることができない。現在でも黒人共同体の暮らしには言葉で描写できないことが、定義する言語がないことが多い。社会科学の対象となるべき事象、現象なのにそれを定義できる、適切な用語が存在しないのね。そういう事象、現象は認識されない。偏見のある目には見えない。詩人でも表現しきれないようなこと。新しい言語が生み出される必要があるのよ。」

作家トニ・ケイド・バンバーラ  1980年頃の言葉。