のどかな土曜日の朝、ようやくゆったりとアルテリ第7号を読んでます。

 
まず、渡辺京二2万字インタビュー。
 
石牟礼さんや谷川雁との関わりも面白いけれど、共産主義共産党じゃないよ)という「思想」がどれだけ渡辺京二世代の青年たちを捉えていたのかということをあらためて知って、それがなにより興味深い。
 
思想と、それを奉じる集団とは、別物のはずなのだけど、権力に抗う思想を語る「場/組織」にすら権力は生まれいずるものだから、思想を全うするつもりが、権力に屈服することになるという……。
 
京二さんのインタビューを読みつつ、組織の命で壮絶な想いで10年間沈黙した在日朝鮮人の詩人のことをありありと思い浮かべた。
 
単独者として思想を貫くことの困難。
 
しかし、京二さんは、石牟礼道子という、組織ならぬ「場」を得たんだな。到底組織化などできない、もしかしたら、この世でもっとも厄介な「存在/場」。
 
というようなことをつらつら考えましたです。
 
 
それから、坂口恭平君の「目の前にあるもののことをしばらく見ていると、」をしばらく見ていました。たくさんの時間が流れている、たくさんの川が流れている、そのなかには私の川もあるような気もしたのだけど、川はあっという間に流れすぎて、もう忘れました。