まず、渡辺京二2万字インタビュー。
思想と、それを奉じる集団とは、別物のはずなのだけど、権力に抗う思想を語る「場/組織」にすら権力は生まれいずるものだから、思想を全うするつもりが、権力に屈服することになるという……。
京二さんのインタビューを読みつつ、組織の命で壮絶な想いで10年間沈黙した在日朝鮮人の詩人のことをありありと思い浮かべた。
単独者として思想を貫くことの困難。
しかし、京二さんは、石牟礼道子という、組織ならぬ「場」を得たんだな。到底組織化などできない、もしかしたら、この世でもっとも厄介な「存在/場」。
というようなことをつらつら考えましたです。
それから、坂口恭平君の「目の前にあるもののことをしばらく見ていると、」をしばらく見ていました。たくさんの時間が流れている、たくさんの川が流れている、そのなかには私の川もあるような気もしたのだけど、川はあっという間に流れすぎて、もう忘れました。