台風の済州の記憶  2019年9月19日~24日 

 

台風接近中の9月22日、もうほとんど暴風雨の中を、海辺の東福里にひとりのハルモニを訪ねる。

元海女、そして소리꾼( ソリクン 歌い手)。16歳の頃から、村で死者が出れば、死者を送る「行喪歌(ヘンサンソリ)」を歌うようになった。

歌は、やはり「行喪歌」を歌い、「回心曲」も歌い、民謡も歌った名唱であった父親譲り。父は、海に放り出された済州四三の犠牲者の遺体を集めて弔いの歌を歌った人。

 「行喪歌」を聞きたかったけれども、この歌はふだんは歌ってはならない。

 「回心曲」は、仏教の教え。そして鎮魂。ナムアミタブル/南無阿弥陀仏

 

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9月23日、何度目かの四三平和記念館

前に来たときには、この映像はなかったな。

犠牲者のすべての名前が碑に刻まれ、映像にも映し込まれるなら……。

 

1948年4月3日に山に入って決起し、政府の差し向けた警察・軍隊・右翼団体と闘いつづけた者たちのうち、その中心人物たちの名はまだ刻まれていない。

四三犠牲者の、政治的選別。

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