2021-06-02 森崎和江 不穏な詩 森崎和江 詩 妣(はは) 桃太郎 風車が赫いね 西のそらに いちめんにまわっているよ みえないのかい そうかい 血の海さ 遊女 つばを吐いて とび散ったほうへ歩く 風がないね 虫 たとえば紫宸殿の 即位の秘儀 その観念をかぜにさらし水にさらし つみくさの丘にすわる たとえば紫宸殿の 神の子の舟 その観念をさかのぼり漕ぎわたり うなばらの波にあそぶ そらひびく わが産井の里 ふきすさぶははよ おかあさん しっ かあさんは虫ですよ