メモ: 『帝国を壊すために ―戦争と正義をめぐるエッセイ―』(アルンダティ・ロイ著 本橋哲也訳)

この本は2003年刊行。アルンダティ・ロイはインドの作家、批評家。

これは、2001年9月11日のいわゆる「アメリカ同時多発テロ事件」以降の、「我々の側につくか、それともテロリストの味方をするか」(byジョージ・ブッシュ)というクソ単純大バカ野郎発言に象徴される、歪んだ世界の状況に対する抵抗の書。

そして、2023年10月7日以降の、恥知らずな植民主義が人目をはばかることなく跋扈するようになった世界に抗するうえでも、とても示唆に富む書。

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アルンダティ・ロイは言う。

 ジョージ・ブッシュが、「我々の側につくか、それともテロリストの味方をするか」と言うのなら、わたしたちは、「よけいなお世話」と言ってやる。世界の人々は、「悪逆ミッキーマウス」と「狂人ムッラー(イスラムの尊師)」の、どちらかを選ぶ必要なんかないことを教えてやろう。

 わたしたちの戦略、それはたんに<帝国>に立ち向かうだけでなく、それを包囲してしまうことだ。その酸素を奪うこと。恥をかかせること。馬鹿にしてやること。わたしたちの芸術、わたしたちの音楽、わたしたちの文学、わたしたちの頑固さ、わたしたちの喜び、わたしたちのすばらしさ、わたしたちのけっして諦めないしぶとさ、そして、自分自身の物語を語ることのできるわたしたちの能力でもって。わたしたちが信じるようにと洗脳されているものとは違う、わたしたち自身の物語。

 大企業による革命なんて、わたしたちがその製品を買うことを拒めば、おしまい。その発想も、それが捏造する歴史も、その戦争も、その武器も、それが信じ込ませようとする必然性だって。

 覚えておこう――わたしたちは多く、彼らは少ない。わたしたちが彼らを必要としているよりも、彼らのほうがわたしたちを必要としているのだ、ということを

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★この本は、本橋哲也さんの翻訳も素晴らしい。