80年前の「八重山の戦争」と現代の最新型<無感性暴力の殺戮 by イスラエル>

3か月近く寝ても覚めても取り組んできた石垣島の老師の本の校閲作業がようやく終わりました。
 

八重山の1945年』(大田静男 みすず書房)2025年7月16日予定

 
 
この本で語られているのは―――、
 明治以前、琉球王国支配下にあった八重山群島が、琉球併合後にいかにして近代化(=皇民化=軍事化)されていき、
いかにしてついには作られた戦争の熱狂にのまれていったのか、ということ、
近代の世界システムとはまた別の、中華世界システムのもとで日清両属であった琉球八重山を含む)を、近代日本はとことん信用せず、その結果、沖縄戦では琉球人=スパイが大前提であったということ、
軍は八重山沖縄戦の捨て石として使ったこと(つまり沖縄本島という捨て石の、さらに捨て石)、
そして島の民の命はどうでもよかったということ等々が、
島々の民の声、公文書、軍の資料等を駆使して、あらわにされていくのです。
 そのうえさらに、上空から攻撃する英米軍のレポートを参照することで、日本側で語られてきた戦いの物語に亀裂がはいってゆくという……。
 なんだか、これだけでも十分に恐ろしい。戦争の実相が迫ってくるようです。
 ところがね、昨夜『HAPAX』の「パレスチナ小特集」を読んでいて、考えれば当然のことだけど、戦争は素晴らしく進化していることを知るわけです。
 「無感性的暴力」と題されたイアン・アラン・ポールの論考では、イスラエルパレスチナに対する攻撃、ジェノサイドの自動化について、以下のように語っているのです。
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「数万人の情報部員が処理できなかった」膨大な量のデータを処理し、リアルタイムで爆撃場所を推奨する人工知能、その名も「ハプソラ(福音)」というシステムをイスラエル軍は使っている。
デジタル化された監視装置がパレスチナ全域に配備され、ありとあらゆるパレスチナ人の生についての莫大な量のデータが作成される。それにより「殺害される可能性のある民間人」の数が算出される。
つまり、イスラエル軍は殺戮を始める以前に、死者のすべてを計算済みであり、一般市民の死はハマス幹部殺害の巻き添えなどではけっしてない。
イスラエル軍はガザの民に避難を強いるとき、避難路に監視技術搭載の輸送コンテナを設置し、そこを通り抜けるよう命じる。イスラエルの生体認証データベースと照合して、抹殺すべき者をあぶりだすために。
すべてのガザの民は、データに基づいて計算され、算定され、殺害される。
そこには感情はない。すべては数値化され、データ化されて、感情が発生する余地などない。
その名も「無感性的暴力」
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恐ろしいね。
パレスチナで磨き上げたこのシステムをイスラエルは世界各国に輸出するわけですね。
これが最先端の戦争、そして世界の姿。