2017-05-01から1ヶ月間の記事一覧

この「長靴/故郷/彷徨/出発」の4部作は、今再読すると、ひどくリアルだ。

発表は1971年から1973年。 舞台は終戦間際から戦後。 主人公は大阪に生まれ育った朝鮮人二世。 この植民地の民の息子は、「皇国臣民」であることと「朝鮮人」であることの間で宙づりになっている。 植民地支配下の朝鮮に穢れなき民族の姿を夢見てい…

金石範作品集?より「糞と自由と」。そのなかに流れる朝鮮民謡「トラジ」

戦争末期、徴用されてきた北海道のクローム鉱山から逃亡を企てた李命植は、山すその茂みに身を潜ませていたそのとき、声を聴く。 そのとき、なにか人の声がしたと思った。それは彼にどきんとさせなかったほど、ふしぎな声だった。風にのってそれは歌のように…