2010-04-01から1ヶ月間の記事一覧

投企

参ったなぁ。腸の癒着が原因でいきなり腸閉塞になったのが一週間前で、その原因が、三年前の開腹手術にあるらしいということで、えっ、そうなの? 開腹手術すると、腸って癒着するの? って間抜けなことを言って、周囲の人々に怒られたり。で、これは開腹手…

秘密に向かう

大阪に行ってきた。用件は二つ。一つは、6月末に娘が結婚するにあたっての、結婚式打ち合わせを兼ねた両家会食。親同士もほぼ同じ年令。両家共に母親はO型、他は全員B型。B型に囲まれて生きるO型の悲哀を母親同士しみじみ語り合う。もう一つは、生野の…

つながり

二日間、草津の栗生楽生園で、詩人の谺雄二と文学談義。 谺さんに決定的な影響を与えたのは、小野十三郎なのだという。ああ、そうか、そうなのかと腑に落ちるものがある。谺さんに会う前に、大阪まで会いに行った詩人金詩鐘も小野十三郎を師と仰ぐ。 「詩は…

メモ  ライと朝鮮

日本の近代化驀進のために犠牲にさせられた二つのもの、それがライと朝鮮だ、と詩人・村松武司は繰り返し言い続けた。(森田進『魂の癒しという最大の主題 ―「ライ文学」』より)森田進著「詩とハンセン病」を読んでいる。この本を読んでよくわかったこと―ハ…

散文的世界。

書評原稿を書く。 来週末に2年ぶりに再会する谺雄二さんの詩集「ライは長い旅だから」を眺める。 荒川洋治「文学の門」を読む。 荒川さん曰く、日本で見かける文章の、九九パーセントは散文、なのだそうである。いまの日本は、散文の支配力がとても強い、の…

復讐

「詩人は言葉を大事にする、というのは一つの通念にすぎないのであって、果たして現実の詩人が、現実に言葉を大事にしているかどうか、そんなことは誰にも分からない。むしろ言葉を軽く扱ったために、その報いを彼らは受けているのではなかろうか、と私は疑…

小猿の夢

「沼地のある森を抜けて」(梨木香歩 新潮文庫)。読了。全宇宙の始まりにたったひとつだけあった細胞の、すさまじい、絶対的な孤独。そこから「物語」は生まれ、連綿と紡ぎ出されていく。「物語」を「生」に置き換えても、「死」に置き換えてもよい。そのど…

恥ずかしいこと

引きこもり生活。生身の誰とも話さず、ただ本とだけ向き合って、音楽に耳を傾けて、一日が終る。最近、一週間のうち五日はそんな感じ、それが心地よくもある。生きるためには、生きるためにこそ、語りえぬことが人にはある。語りえぬことだからといって、そ…