2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧

「生の悲しみ」 (『声 千年先に届くほどに』ぷねうま舎 より) 韓国語版

「생(命)의 슬픔(生の悲しみ)」 (原文日本語 韓国語訳:金利真) 사람은, 외로움도 슬픔도 아픔도, 결코 메워낼 수 없어서, 다만 한 가지 가능한 것은, 존재의 외로움, 존재의 슬픔을 함께 바라보고, 함께 있는 것 일테지. 존재의 심(芯)에 머무는 외로움…

森崎和江 エッセイ 気になる言葉 メモ

◆「ナヨロの海へ」 私は日本人のまねをしている日本人ではなかろうか ◆「悲しさのままに」 かつての日本の植民地で生まれ育ったものですから、自分を生き直したくて、くりかえし日本とは何だろう。わたしとは、いのちとは、と自問しながら彷徨するのは、やむ…

30年前に韓国で書いた原稿を、見知らぬ韓国の方が送ってくださった。びっくり。

1990年 1月号 MBCガイドに掲載された日刊広告比較の原稿。 MBCは韓国の放送局。 MBCに在職されていたという方から、今日、facebook経由で送られてきた。 本当に驚いた。

森崎和江 『慶州は母の呼び声』 メモ

これは、森崎さんにとっての『あやとりの記』なのであり、『苦海浄土』なのだと思った。 失われた「はは(オモニ)のくに」の記録。痛切。哀切。 ◆唄の記憶、ひとつ。 先に行くのはどろぼうだよその次はヤンバンサラムあとから行くのはシャンヌム いつごろ生…

「生む・生まれる話」(『ふるさと幻想』所収) メモ

これは松本健一への公開書簡。 こんな手紙を送られた松本健一は鳥肌が立つほど震えただろうなぁ、と思う。 いきなりこんな言葉が書きつけられる。 私は、もの書きになってしまいましたが、書きことばによる表現ぬきに生きることができなかったからで、もの書…

森崎和江「ノン・フィクションとしての民話」(『詩的言語が萌える頃』所収)  メモ

これはすごいエッセイだと思う。 冒頭に森崎和江の見つづけてきたこの世の風景が語られる。 まるで大きな肉体のように関連としていた社会が崩れ、ひとりひとりの人間たちが、名づけようもないほどとりとめのない個体となるさまを、私はこれまで二度、みて来…

森崎和江  不穏な詩

妣(はは) 桃太郎 風車が赫いね 西のそらに いちめんにまわっているよ みえないのかい そうかい 血の海さ 遊女 つばを吐いて とび散ったほうへ歩く 風がないね 虫 たとえば紫宸殿の 即位の秘儀 その観念をかぜにさらし水にさらし つみくさの丘にすわる たと…

詩「ほねのおかあさん」森崎和江  <産むことの思想>をうたう  メモ

森崎和江の身体感覚と言葉への感性。あまりにも鋭敏な感覚。 森崎和江の世界は言葉にならない欠如に満ちている。その欠如を生き抜いていくには、言葉が必要、思想が必要、切実に必要。 それは、はじまりの言葉であり、はじまりの思想になるほかはない。 ある…