2009-08-01から1ヶ月間の記事一覧
ブロッホは、世界との係わり合いの方法として、観照の代わりに、希望を提案する。 ブロッホは哲学を未来へ、<まだ・ない>ものへと向けることを提案した。 ブロッホの考えでは、未来に開かれた哲学は、世界を変えることに関わる意志を内包している。 以上、…
昨日、私のもとにやってきた本たちの名前。『異邦人は君が代丸に乗って』(金賛汀 岩波新書) 『我が名はアラム』(サローヤン 三浦朱門訳 福武文庫) 『はつ恋』(ツルゲーネフ 新潮文庫) 『和歌とは何か』(渡部泰明 岩波新書) 『いつも心に音楽が流れて…
日頃、ウタ会、ノミ会、と歌って飲んでいる友人たちと、今度はヨミ会をする。大昔読んで、今ではそのタイトルとキャッチーな一節くらいしか記憶にないような、いわゆる名作を再読しようという酔狂な会。その第一回はカミュ『異邦人』。メンバー1が辺境とい…
昨日、恵泉女学園大学での「文学方法論」の集中講義終了。「文学」や「方法」という言葉から学生たちが連想するものとはまったくかけ離れたことを語り合う授業になった。 一言で言えば、自分のなかでもやもやしている自分を取り巻く世界に対する違和感、問い…
『小説修業』保坂和志あとがきから。 - 小島さんの書いたものを読んでいると、「理解する」ということがじつは薄っぺらいことだということがだんだん実感されてくる。小説を読んで、その小説が言わんとするところを「理解した」と思ったとき、私たちはそこで…
8月14日、恵比寿の写真美術館に『ジョルジュ・ビゴー展 -碧眼の浮世絵師が斬る明治-』を観に行く。 洗足池から池上線で五反田に抜けて、そこからJRで恵比寿に向かおうとしたところで人身事故。小心な私はまさに事故が起きたばかりらしい五反田駅のホームにな…
8月12日は静岡方面に向かう予定であったが、地震のため中止。私は閉所高所暗所地震がダメ。代わりに中華街〜鶴見〜鶴見線ツアーへ。 鶴見線終点の扇町は、母方のおば一家がかつて住んでいたところ。まだ小学校にあがる前に母に連れられて何度か鶴見線に乗っ…
地震。 関東大震災後の東京を歩いた芥川の文章、折口信夫の文章、沖縄出身の比嘉春潮の文章をふと思い出す。恐怖にかられた虐殺が市民によって繰り広げられた震災後の風景、地面が揺れると、人間の心の底の闇も揺れてひび割れて魔を吐き出す。フーコーを読ん…
訪ねてみたい図書館がある。 アメリカンのサンフランシスコに、もっと具体的に言えば、サクラメント・ストリート3150にその図書館はある。黄色いレンガ造りの図書館。朝九時に開館して、夜9時に閉館する。でも、入口のドアの脇にある鐘を鳴らせば、いつ…
チェホフ『ワーニャ伯父さん』 内田百輭『冥途』 宮本常一『忘れられた日本人』中の「土佐源氏」 金子光晴 詩「オットセイ」、「もう一篇の詩」 山之口獏 詩「存在」 韓龍雲 詩「服従」集中講義の日々の課題を学生たちが書いてくる。その文章の中に渦巻く声…
明日3日より、五日連続の文芸創作集中講義。これで5回目となる。毎回学生の顔ぶれは変わり、毎回教室の空気も異なり、そのなかで、学生ひとりひとりに真正面から向き合う体力気力勝負の講義。彼らに対して文章作法といったハウツーめいたことは一切語らない…