2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧
思うに、アナーキズムを語ることは、わたしたちの「暮らし」「社会/共同体」「生」をめぐる想像力が、なにものによって形作られ、あるいは囲い込まれているのか、ということを語ることでもある。 資本主義の外に、国家の外に、想像力がはみ出していかないよ…
水俣病で亡くなって、解剖されて、包帯でぐるぐる巻きにされて、目と唇しか見えない、真っ白な包帯には血のような汁のようなものがにじみ出ている、わが娘和子を、ます女は背負って、水俣駅の先の、踏切のところから、わが家のある坪谷へと、夜の線路を歩い…
河出書房版『苦海浄土』P343下段~ 思えば潮の満ち干きしている時間というものは、太古のままにかわらなくて、生命たちのゆり籠だった。それゆえ魚たちにしろ貝たちにしろ、棲みなれた海底にその躰をすり寄せてねむり、ここら一帯の岩礁や砂底から離れ去ろ…