2007-01-01から1年間の記事一覧

世間にそわせぬ(三下がり)

世間に添わせぬ義理がありゃ こっちに別れぬ意地がある 度胸決めれば 世間も義理も なんのヘチマの皮一重 え〜〜 すまないが 添い遂げる 昨日7月9日はまことに、朝から慌しいというか、忙しい日でございました。 まずは国立劇場に出かけ、「新版歌祭文 一幕…

一声(本調子)

一声を 花の東の町々に 残してゆくか山時鳥 空も青葉の簾越し 萌黄の蚊帳や 蚊帳や 幌蚊帳 涼しい風が来るわいな あな恐ろしやの「仲良し会」、田毎、一条、堀の小唄の各流派が集まっての小唄の会が、無事、終わりました。 脱力しました。 私は堀の三番手で…

春風

春風がそよそよと 福は内へとこの宿へ 鬼は外へと 梅が香添ゆる 雨か 雪か ままよままよ 今夜も明日の晩もいつづけに 玉子酒 5月28日、新橋演舞場で、新橋の芸者衆の華の舞台、「東をどり」を観てきました。 今年はなんでも新橋百五十周年。(安政4年に…

今朝の別れ(本調子)

今朝の別れに 主の羽織が隠れんぼ 雨があんなに降るわいな 青田見なまし がたがたと鳴く蛙 「え、高くて声が出ない。大丈夫、舞台にあがりゃ、不思議に出るもんなんです」。小唄のお師匠がそう言うんですが、お稽古で一生懸命やっても、蛙が鳴いているような…

雨や大風(二上り)

雨や大風吹くのに からかさがさせますかいな 雨や大風吹くのにからかさがさせますかいな はい 骨がおれまする 雨の中、三味線抱えてお稽古に行ってまいりました。 はい、まったく骨が折れまする。 お稽古に行けば、二時間みっちり三味線を弾きっぱなし。わた…

茶のとが (本調子)

茶の科か 寝られぬままの爪弾きに 憂き川竹の水調子 涙ににぢむ薄月夜 暈持つ程はなけれども 曇り勝ちなるわが胸を 晴らす雲間の時鳥 わたし、歳のせいか、性格のせいか、眠りが浅いんです。 性格のせいっていうのは、いつもアドレナリンが出っ放し、いつも…

水の出端 (本調子)

水の出端と二人が仲は 堰かれ逢われぬ身の因果 たとえどなたの意見でも 思い思い切る気は 更にない 元歌は文政初年(1818年頃)の作の上方小唄で、 水の出端と二人が仲を たとえどの様な意見でも 思い切る気はないわいな じっとこたえているわいな 何度…

夜桜(三下がり)

夜桜や 浮かれ烏がまいまいと 花の木陰に誰やらがいるわいな とぼけしゃんすな 芽吹き柳が風にもまれて ふうわりふわりと おおさ そうじゃいな そうじゃないわな 調子よく弾む唄なんです。こういうのが好きなのだけれども、哀しいかな、 三味線の手がついて…

夏の雨(本調子)

夏の雨 凌ぎし軒の白壁に 憎や噂をまざまざと 相合傘に書いた文字 見てはほころぶ 片えくぼ 本日のお稽古でお師匠さんが、6月に催される熊本の小唄各派大集合の 「仲良し会」で私が唄う二曲を「惚れて通う」と「夏の雨」にしましたと おっしゃいました。 「…

浮気鶯(本調子)

浮気鶯 ひい ふう みい まだ住み馴れぬ庭伝い 梅をば捨ててこませもの ほうほけきょの約束も 憎や隣の桃の木に 古来、「竹に雀」「梅に鶯」であるものを、まったく今日びの若い鶯の野郎ときたら、梅に止まってさえずったのも束の間、あっという間に桃の木に…

春霞 本調子

春霞 ひくや所縁の黒小袖 これもゆるしの色里へ 根ごして植えて江戸桜 松の刷毛先 透き額 東男のいでたちは 間夫の名取りの草の花 さてさて、なにやら色艶と危なっかしい匂いがするのはよくわかる。 で、背景を早速「小唄鑑賞」と「江戸小唄」(木村菊太郎著…

惚れて通う(三下がり)

月三回の小唄のお稽古。流派は堀派。熊本じゃあ、3名しか師範の先生はいません。 お弟子さんたちも高齢化社会を先取りしていて、四十代の私がほとんど最年少。 (このままずっと続けていけば、熊本の堀派をもしかして担っている? こんな恐ろしい想像は、私…