2012-11-01から1ヶ月間の記事一覧

ご案内 〜チェチェンにまつわる〜

私も関わっている「チェチェン連絡会議」の新たな出発のためのイベントの案内です。 このイベントでは、私も出演しているドキュメンタリー映画「いって・らっしゃい」(ザーラ・イマーエワ/岡田一男 2012年)が上映されます。 - 開催日時: 2012年12月2日(…

器になる

『琵琶法師』(兵頭裕巳 岩波新書)の第3章「語り手とはだれか」。琵琶法師の語りは、「我」という視点を持たない。琵琶法師は異形の者である。境界上の存在である。 琵琶法師は女の法号を名のり女官をおもわせる官職を私称した。法師形でありつつ、袴をは…

目で音を聴いてはならない。

私は眼鏡をはずすと、耳も遠くなる。電話をするときには眼鏡は必需品。などということをいきなり言うのは、『琵琶法師』(兵頭裕己 岩波新書)を読んでいて、こんな記述にぶつかったから。「芳一(耳なし芳一)がそうであるように、琵琶法師はふつう盲人であ…

昭和の歌。抒情。

「逢いたくて逢いたくて」「ウナセラディ東京」「恋の奴隷」「小指の想い出」「黄昏のビギン」「喝采」「いいじゃないの幸せならば」「月がとっても青いから」「三味線ブギウギ」「四つのお願い」「プカプカ」「ふしあわせという名の猫」「ちっちゃなときか…

記憶は死者が命じる。

『災厄と身体 破局と破局のあいだから』(季村敏夫 書肆山田)を読む。 そこには、心の深いところからじりじり滲み出して、出会った者の心の深いところへとじんと染みこんでいく、そういう限りなく沈黙に近い声がある。たとえば、「死なんとぞ、遠い草の光に…

一番大切な思いは誰にも読まれないのだろうか。

読書同時進行中。『純粋な自然の贈与』(中沢新一 講談社学術文庫) 『響きあう異界』(浅見克彦 せりか書房) この2冊は、ざっくりと括れば、わが身の内に潜む異界をめぐる話。「『存在』を語る言葉は、価値づけを与えたり、計量化したり、分析によって仕分…

羞恥よりも、屈辱

昨日、11月5日、東京・北の丸の科学技術館で、「いまハンセン病療養所のいのちと向き合う! 〜実態を告発する市民集会〜」に参加してきた。年上の友人、草津の栗生楽泉園の谺雄二さんが世の人びとに向けて放った痛切なる言葉に突き動かされて。以下、その全文…

希望の国  陳腐を陳腐で切り返す。

園子温『希望の国』を観てきた。 http://www.kibounokuni.jp/ 公式ホームページから、ストーリー引用。 - 舞台は東日本大震災から数年後の20XX年、日本、長島県。酪農を営む小野泰彦は、妻・智恵子と息子・洋一、その妻・いずみと満ち足りた日々を送っていた…