2011-08-01から1ヶ月間の記事一覧

土の匂い

11月刊行予定の、ハンセン病にまつわる本の「あとがき」をようやく書いた。ぎりぎりすべりこみセーフで夏休みの宿題を終えたような気分。書かなければいけないときにかぎって、無闇に本を読みたくなる。書店で手にとって、どうしても家に持ち帰りたくなった…

報告

宮沢賢治「グスコーブドリの伝記」をあらためてきちんと読む。賢治の童話は小学生の時にたいていは読んだのだが、なぜか、「グスコーブドリ」だけはどこでどうつまづいたのか、ちっとも読み進められなくて、途中で投げ出して、以来、読もうともしなかった。…

雑草、かぼちゃ、ひまわり

陸前高田。午前中は雨。午後から、米崎町の海辺の、津波に洗い流された田んぼ跡で、見事に生い茂った雑草の、草刈の作業をした。生まれて初めて鎌を手に、私の胸元くらいまで茂っている草どもをがりがりと刈っていく。ここは田んぼだったはずなんだけど、流…

達谷窟―たっこくのいわや―

不意に思い立って、平泉に立ち寄ってから、陸前高田に入ろうと思ったのだが、一関、平泉、水沢、北上、花巻、いずれも宿が取れず、仙台を拠点に動くことに……。 赤坂憲雄が言うところの「蝦夷の東北」を垣間見たいと思っていた。平泉から一関に向けて車を走ら…

なぜ?

陸前高田の松の行方を思うと、腹立たしさより、この社会の行く末がひどく恐ろしいものに思えてきて、不安になる。専門家が焼いたところでなんら問題はないと言っている松の薪を、どうして抗議の声の大きさだけを判断の材料にして、焼かないという結論を出す…

本、本、本

今さらながら辺見庸『赤い橋の下のぬるい水』を読む。すごいな、やっぱり、辺見さんは。言葉が体の芯からにじみ出てくる者だけが持つ凄み。保坂和志『カンバセイション・ピース』も今さらながら読もうと古本屋で購入。『ツナミの小形而上学』(ジャン・ピエ…

休日

久しぶりに仕事を忘れ、汽車に乗りに水上に出かける休日。C6120のペーパークラフトが車内で配られ、しっかり持ち帰る。なかなかに嬉しい。次は、ずっと乗ろう乗ろうと元学生ヨツバと言い合って、まだ乗れずにいるくるり線に行こうか。

書く。

7月下旬から8月第1週にかけての、過酷な原稿読みの日々がようやく終了。この期間にトータル370本の高校生・大学生の書いた文章を読んだ。自分が文章を書き始めた頃を想い起こしつつ、この中から本気で書き続ける者が何人でてくるのだろうと思いつつ、…

最後の授業

明日より4日間、恵泉女学園大学にて文芸創作集中講義(別名文芸創作SM教室)。一身上の都合で、今回をもって恵泉での講義は最後となる。いつものように、物好きな卒業生たちも講義を受けに(=遊びに)来るらしい。来れば、単位も何も関係なく書かされて、…