2023-01-01から1年間の記事一覧

パレスチナと私たちの小さな歌

GAZAの人びとが歌い踊るのを見た。 踊る少女を見た。 You can't break the Palestinian spirit! pic.twitter.com/qjxwb2dR7t — Censored Men (@CensoredMen) 2023年12月27日 ノルウェーの人びとが、GAZAに心を寄せて、パレスチナ国歌を歌うのを見た。 Norw…

作家キム・ヨンスと詩人白石と詩人金時鐘と詩人キム・ソヨン

キム・ヨンス『七年の最後』(橋本智保訳 新泉社)を読んだ。 これは、北朝鮮の体制の中で、ついに、詩を書かないことで自身の文学を全うした詩人白石の、詩を書かなくなる最後の7年を描く物語であり、キム・ヨンス自身の文学観が語られている物語でもある。…

詩 「新しい世界にようこそ」

新しい世界にようこそ 人知れず無数の獣が大地を蹴って躍るとき、ひそかに世界が変わるということを、あなたは知ってる? この世の涯の密林の奥で、ほかの誰に知られることなく、この世が災厄にのまれぬよう、かがり火焚いて夜を徹して輪になって踊る歌の祭…

『「日本語」の文学が生まれた場所』黒川創

近代の言文一致体を作り出すために、どれほどの苦労があったことかと、 文学史において、二葉亭四迷やら、山田美妙やらのさまざまなエピソードや、 鴎外や漱石の文体について触れてきたわけであるけれど、 『「日本語」の文学が生まれた場所』の黒川さんの序…

暗い時代に、想い起こす言葉、一つ

まっくらな闇の中を歩みとおすとき、助けになるものは、橋でも翼でもなく、友の足音である。 ヴァルター・ベンヤミン 「師よ、わたしたちが善き友を持ったならば、仏道の半分を完成したことに等しいと思いますが、いかがでしょうか」 「アーナンダよ、違う。…

2023年10月26日 北上に鬼剣舞を観に行った。

北上駅構内に鬼剣舞の人形 駅前には鬼剣舞銅像 朝の北上川 宿の窓から 鬼柳鬼剣舞を観に、鬼柳六軒集落へ。 集落の入口の碑石群 庚申塔 馬頭観音 南無阿弥陀仏 永陽大師? 慧燈大師 見真大師 剣舞稽古場 準備中の舞い手たち これから彼らは鬼になる 岩崎鬼剣…

北上から ~森崎和江の足跡を訪ねる旅~

11月16日から始まった森崎和江の旅をたどりなおす旅。 今回の旅の出発点は宗像・鐘崎であったけれど、 本当の出発点は、朝鮮なのである。 そのことを胸に刻みつつ、森崎さんの詩集「地球の祈り」を再読する。 むかしのその詩集(『かりうどの朝』)のあとが…

三内丸山遺跡に行ってきた ~森崎和江の足跡を訪ねる旅~

三内丸山 たくさんの縄文の人に会いました。 縄文土器 こんなに沢山 もっともっと沢山あったはず これを使って暮らしていた沢山の人びとがいたんだな 千年以上もの間、 さて、人は、この千年のあと、なぜに国家などというものを考えだしたんでしょうね。 一…

津軽のアラハバキ社

津軽 藤崎 荒磯崎神社。 ここは、『東日流外(つがるそと)三郡誌』に登場する、大和朝廷に抗したアラハバキ族の神が祀られていたと言われる。 中央に権力によって消されたアラハバキ神の社。津軽には他にも多数あるとされる。 ただし、『東日流外(つがるそ…

『クレヨンを塗った地蔵』より 抜き書き

津軽半島はいつ行っても、おがさまたちの手塩に染まっているかにみえる。おがさま、と、すこしくぐもったやさしいひびきで呼ばれるのは、四、五十代の女たちである。 津軽半島には大きな屋根をもつ神社仏閣は少ない。村むらには鎮守の森や氏神などの、村びと…

『北上幻想』抜き書き  まだ途中

<いのちの母国を探す旅 ①> かつての朝鮮で生まれ育ち、敗戦後をいのちの母国を探し探し私は生きてきた。探すことはたたかうことでもある。自分とたたかい、文化の流れをかいくぐり、批判や孤独に耐えながら、いのちへの愛をそだてる。多くの人びとがいく代…

福井・小浜 落穂ひろい

若狭小浜 疱瘡神御守札 組屋六郎左衛門に伝り候疱瘡神の事は、永禄年中に組屋手船北國より上りし時、老人便せんいたし来り、六郎左衛門方に着、しはらく止宿いにて発足の時、我は疱瘡神也、此度の恩謝に組屋六郎左衛門とだに聞は疱瘡安く守るへし。とちかひ…

八百比丘尼の旅  いのちをめぐって  抜き書き

編集 ◆もし、わたしが子を産んでいなかったなら、こんな形で日本海の浜辺をさまよったかどうかわからない。まるで民族の深層心理をたずねたがるかのような、あてもない旅などしなかったかもしれぬ。子をみごもっていた時の、ふしぎな知覚は予想もしないこと…

福井 小浜 神明神社 資料

熊野山 神明社の在る場所が、熊野山。 『大日本地名辞書』補【熊野山】遠敷郡○郡県志、後瀬の連峰にして而して西南に在り、山腹に熊野十二権現の社あり、其中間の役の小角の像を安ず、今の山伏なるもの小角の末徒なり、故に国中の山伏之を尊崇す、凡そ国中の…

宗像 鐘崎 落穂ひろい

この港で、鐘崎海女の松尾美智代さんと語らった。 お母さんの本田リキエさんと森崎和江さんの交流について、いろいろお話を伺った。 海女唄に ヤーレ あれが鐘崎の織幡(シキハン)さまだよ ヤレ 見たやたいの 拝またいよ ヤーレ 沖の瀬の瀬の ズンドウ箱の…

森崎和江  ことば  抜き書き 自他を結ぶ「産みの思想」「いのちの思想」の観点から

◆組織化されなかった無産階級婦人の抵抗は、ひとりひとりのおばあさんのなかでは消えておりません。けれども抵抗集団そのものは挫折しました。そしてそのあとにつづくものは何も本質的に生まれてはおりません。一度の挫折も経験したことのない日本的母性は、…

森崎和江『海路残照』  メモ その1 玄界灘鐘崎編 

渚への「寄り物」としての火いかの話をする女がいる。 この鐘崎の浜はいろんなものが流れてくる所たい。と語る老人がいる。 鐘崎を、いのちの語りを求めて彷徨い歩く森崎和江は、人魚の肉を食べて、あるいは貝の肉を食べて、不老不死となった八百比丘尼のこ…

森作和江 北への旅 その3 メモ

ひきつづき『原生林に風がふく』 数多くの森崎和江の文章で、くりかえし記される森崎和江の旅のはじまりにまつわる述懐。 朝鮮体験の重さと弟の自死は、私を賢治以前の魂の日本へと、突き放ちました。 私には、言葉以前の、伝承力を感じさせるしぐさについて…

森作和江 北への旅 その2 メモ

『原生林に風が吹く』簾内敬司×森崎和江 ◆旅のはじまり 道案内人は簾内敬司 木に会いたい、その旅へと急ぐ、森崎和江がいる。 「なぜ、東北は、山を恋うのだろう」 私が今会いたい木は、それら私や私の親世代たちが踏みわたった近代の影などにおびえることな…

森崎和江  北への旅  メモ

『対話 魂ッコの旅 森崎和江 野添憲治』より ◆北へと向かう心 どうして北に行きたいということになるのかなというとね、私、「辺境」という言葉が嫌いなんです。だってどの地方にも固有の生活史はあるんですもの。それぞれの地域にくらしの遺産は深く残って…

『六ケ所村の記録(下)』 メモ

(六ケ所村を原子力センターにするのは)通産省の外郭団体の調査報告書(1969年)に明記されている既定方針だった。 核燃サイクルは、開発が頓挫した広大な空き地があるからと、1984年に始まったのではない。青森県が、広大な空き地へと誘致したのでもない。…

野添憲治『開拓農民の記録 日本農業史の光と影』(現代教養文庫) メモ

光と影 と副題にはあるけれど、開拓農民の記録を読めば、そこにあるのは、ほとんど闇の一語に尽きるではないかとすら思われる。 国策で満蒙開拓に送り出され、敗戦後に帰ってくれば、やはり国策で、どうしようもない荒地や、山奥を開拓地としてあてがわれ、…

六ケ所村をめぐる言葉  メモ  足尾鉱毒ー朝鮮窒素ー六ケ所を結ぶ

1969年8月 植村経団連会長 (開発予定地は)豊富な水資源と広大な土地に恵まれており、しかも公害の心配がないうえ、地価が安いのが魅力だ。 1971年 むつ小川原開発株式会社(三沢の地上げ会社) 伏見社長 開発がなければ、百姓はみじめだったよ。いまは昔の…

久しぶりに シンボルスカを読む

「なんという幸せ」 沼野充義・訳 なんという幸せ 自分がどんな世界に生きているか はっきり知らないでいられるのは 人はとても長く 生きなければならないだろう 世界そのものよりも 断固としてずっと長く せめて比較のためにでも 他の世界を知らなくては 人…

2023年7月21日~24日  未来の戦跡地めぐり 青森・下北半島編  その3 六ケ所村

7月24日 あさこハウスで会ったおじさんが、「俺は六ケ所のことなら詳しいぞ、なんでも聞け」と言う。 「六ケ所のどこにまず行ったらいい?」 そう聞いたら「泉田稲荷神社に行け」と言う。 「六ケ所にも用地買収に応じなかった家があるんだ。新納屋の泉田稲荷…

2023年7月21日~24日  未来の戦跡地めぐり 青森・下北半島編  その2 大間

7月22日 午前9時 新郷村から大間に車で向かう平葭さんが、 下北を通るときに私をピックアップしてくれることに。「せっかくだから、ヒバの林の道のほうを通って行きましょうね。 恐山もかすめて行きましょうかね」 ということで、恐山をかすめて、薬研温泉の…

2023年7月21日~24日  未来の戦跡地めぐり 青森・下北半島編  その1大間へ

2023年9月22日、23日に大間で開催される大MAGROCKに参加しようと、 その1週間ほど前に慌てて行程を組んだ。 大MAGROCKが、百年芸能祭に参加したいと言っていると、北からの風が教えてくれたから。 これは行かねばなるまいと、本州最北端めざして旅に出た。 …

2023年6月24日 石垣島 未来の戦跡地めぐり

奥に見えるのは、沖縄で最も高い山であり、石垣島の聖なる山でもある 於茂登岳。 その前の小さな山なみを挟んで、手前に見える薄い緑の敷地に立つ建物群が、 「自衛隊駐屯地」 バンナの南の島展望台から、駐屯地をあらためて見る。 前方、やや左手の山のふも…

2023年6月23日 午前8時 石垣島 バンナ公園 南側広場 八重山戦争マラリア犠牲者碑前にて

八重山戦争マラリヤ犠牲者 慰霊之碑 この碑の前で、6月23日には、例年 山里節子さんをはじめとする「いのちと暮らしを守るオバーたちの会」が祈り、歌う会が催されてきた。 そこに「百年芸能祭」も合流。 山里節子さんの進行による『祈り」 1分間の黙祷のの…

真木悠介『気流の鳴る音』 メモ

カスタネダが語るドン・ファンの教えの本は学生時代に読んだ。 覚えているのは「自分の場所を見つける」ことくらいだった。 今回は真木悠介をとおしてドン・ファンの教えに出会い直す。 ①大事なのは「世界を止める」こと。 「わしらは自分のなかのおしゃべり…