縒りをもどして 本調子

縒りを戻して 逢う気はないか
未練で云うのぢゃなけれども 鳥も枯木に二度止まる ちと逢いたいね


幕末の都都逸
「思い直して来る気はないか 鳥は枯木に二度とまる」
この唄をヒントに「縒りをもどして」は生まれたか……。

「縒りを戻して」とは「観世縒」を元通りにすることで、男女が感情のもつれを捨てて元通りの関係になること。『鳥』は女。『枯木』は男。
大正7,8年頃、関西の花柳界で盛んに唄われた。


替歌


縒りを戻して 嫌よと言うて
目顔ぢゃ嬉しい物言わせ
暗い座敷に逃げて待つ
チョイト首尾がよい


観世縒:
紙を細長く切って縒ったもの。観世大夫が始めたものといわれる。一節に勧進小縒の訛ったもの。勧進奉加者が名を細長い紙に書いて縒り、仏像の胎内などに納めたものに由来するという。