胸が震える。

昨夜は若い友人の48と、お台場のZEPP東京での<くるり>のライブに行く。2時間半のスタンディング。腰が痛い。くるりはCDで聴くよりもライブが格段によい。ポップな作りこみをしている曲より、ロック魂炸裂の曲のほうがずっとよい。ドラム、ベースの重低音がかなり気持よい。
しかし、空気全体が重く低く強烈な波動になるときに、そのなかに身を置いていて不思議だったのは、全身万遍なくその波動を受けるわけではなく、体の中の一箇所、ピンポイントでずんずんと入ってくる場所があるということ。右胸の少し真ん中寄り、心臓の真横あたり。たぶん、そこに、空虚な穴があるに違いない。リズムも音も飲み込む底なし空虚の穴。
空虚の穴が震える=胸が震える。
ZEPP東京のフロアにいた無数の人間たち、あなたたちの体のどこかにある、空虚の穴は、きのうどれだけ、音を飲み込んだ?

ライブがはねたあと、観覧車に乗って夜の東京を見おろした。神さまになるには中途半端な高さ。

世に出たばかりの『イリオモテ』を読んだという詩人から、詩を送っていただく。私が吐き出した言葉を、詩人がつまみあげて、口に放り込み、その歯でばりばり噛み砕いて、のみ込んで、再び口から縷々と言葉を吐き出す。その言葉を追いかけていくうちに、道に迷って、見知らぬ島に流れ着いている。