5日(日)、東急文化村オーチャードホールで「ワーグナー・ガラ・コンサート」。「タンホイザー」序曲、「トリスタンとイゾルデ」前奏曲と“愛の死”、「ワルキューレ」第3幕。ワルキューレを聴くと条件反射で「地獄の黙示録」を思い出す。ブリュンヒルデ役はキャスリン・フォスター。なかなかの風格。ワルキューレたちの役は二期会の歌い手たち。終演後、拍手の嵐のなか、歌い手たちが挨拶をする。その体の動きを見ていると、観客席、指揮者、オケの三方に、日本人は、「ども、ども、ども」のリズムで頭を下げているようで、イギリス人は、三方それぞれに深々と「サーーンキュウウウ」とゆったり挨拶しているようであった。いや、公演自体もなかなか良かった。
『未完の小島信夫』(水声文庫)読了。
「美しさといったものなら、細かに書かないで、むしろ文章を節約して浮かばせる方がよい。だが愚劣さは、微細に書くに限るのである」
これは、小島信夫によるゴーゴリ『鼻』の解説の一節。