ターッ、ターッ、ターッ。

本読む一日。

小島信夫『小説の楽しみ』(水声社)再読。柳田邦男『雨の降る日は考える日にしよう』、金石範『火山島1』読了。

三書三様のようであって、どれもが言語化されえないものと向かい合う想像力をその芯に置くものであるという点で通じ合う。

「だから、四百年前とか、百年、百何十年前に書かれたものでも、ほんとうに普遍化されているのは、こうした言語化されない意識や意味、身振りなどをどう表現するか、ということじゃないか。それらは、すべて作者が自分の力で発明したものだからこそ、四百年にもわたって生きているのです」  小島信夫『小説の楽しみ』より



生後7ヶ月になったハコちゃんは、ある日突然、くるくると寝返りを打つようになり、なにか発音練習でもするように「ターッ、ターッ、ターッ」としきりに呟き、(韓国語の다,따,타の練習をやっているような)、今にも何か意味のあることを言い出しそうな気がしなくもなく、そんなことを思うのはやはりバババカでありましょう。
小さな人よ、いったい、何を思い、ターッ、ターッ、ターッなんだ?