叱咤は痛い

金石範『死者は地上に』を読む。

80歳を越してなお瑞々しく、かつ懐の深い想像力、骨太で自在の筆。

叱咤される思い。

「トゥタン、タンタン。深い深い地の底の樹々の茂る森、大きな榎木の蔭の湖のほとり。話ができません、ことばは躯から離れない。やつらにされたことを口で話そうとしても躯だけが打ち震えて死ぬように痛んで、ことばが離れない。ことばが取れない。おっほう、トゥ、タンタン、アイゴッ、アイゴーッ、……」