今さらながら辺見庸『赤い橋の下のぬるい水』を読む。すごいな、やっぱり、辺見さんは。言葉が体の芯からにじみ出てくる者だけが持つ凄み。
保坂和志『カンバセイション・ピース』も今さらながら読もうと古本屋で購入。
『ツナミの小形而上学』(ジャン・ピエール・デュピュイ 岩波書店)を川崎・丸善で購入。
専門外の考古学用語や建築用語が飛び交う翻訳の合間に、本を眺めて、ほっと気持ちを和ませる。
雑誌『こころ』第2号(平凡社)は岩谷時子特集。私も「逢いたくて 逢いたくて」(唄:園まり 作詞:岩谷時子)を取り上げてエッセイを書いている。
伊吹和子さんの「私の『末の松山』」がしみじみと胸に染み入るエッセイだった。歌枕として有名な「末の松山」と、津波と、津波から遠い地の都人たちの想像力のありようと。
このたびの大津波を遥かな地から見やる者たちは、そこからどんな想像力を広げていくのだろう。