2016-07-21から1日間の記事一覧

『古風土記』の巨人

「巨人が国を開いたという説話は、本来この民族共有の財産であって、神を恭敬する最初の動機、神威神力の承認もこれから出ていた。それが東方に移住して童幼の語と化し去る以前、久しく大多良の名は仰ぎ尊まれていたので、その証拠は足跡よりもなお鮮明であ…

百合若大臣の足跡

妙義山には、山上の石の窓を大太(だいだ)という無双の強力が足をもって蹴開いたという話がある。中山道の路上にこの穴がよく見える処があり、そこの半年石(はんねいし)の上に大きな足跡があるのは、その時の記念という言い伝えがある。 その大太は南朝の…

 八王子 川口 縄切(なぎれ)

柳田国男に「ダイダラ坊の足跡」という小文がある。 冒頭の一文。 「東京市はわが日本の巨人伝説の一箇の中心地ということができる。我々の前住者は、大昔かつてのこの都の青空を、南北東西に一またぎにまたいで、歩み去った巨人のあることを想像していたの…