今日、釜ヶ崎、ひと花センターで。

ココルームを主宰する詩人 上田假奈代さんの詩のワークショップに参加。

 

cocoroom.org

 

二人一組、

お題は「みかん」で、

最初に「みかん」という言葉に思い浮んだ絵を2分くらいで下手くそに描いて(これ大事)、

その絵を手掛かりに互いに5分くらい、みかんのある風景、人生模様を聞いたり語ったりする。

 

私の相手は、69歳の釜のおっちゃん。初めて会う人。

ワークショップでのおっちゃんの名前は「ウルトラマン」。

 

おっちゃんが描いたのは、昔のブラウン管のテレビが一台。

 

五分、フルに使って、おっちゃんの話を聞いて、そのあと10分で慌てて書いたのが、こんな詩です。

 

 

『1億50万個のみかん』

 

びっくりしたなぁ 西成のウルトラマン

私のとっても大事な友だちが生まれ育った佐賀の武雄の北方町の炭坑で

少年時代を過ごしていただなんて

 

ウルトラマンが言ったんだ

お父さんは地下にもぐって

お母さんは二番目のお母さんで悪い人じゃないけれど 

死んじゃった最初のお母さんのことを忘れられないから 

ちょっぴりさみしかったんだよね

でも大丈夫 シュワッチ!と一言叫べば

僕は世界を守るみんなのウルトラマンだったのさ

 

ウルトラマンはみかんが好き 

みかん一個で3分戦える

ウルトラマンは特に大みそかのみかんが好き

みそかは夜遅くまで 

家族で紅白歌合戦を見ながら山盛りみかんを食べて

夢の中で世界のために戦いつづけたのさ

 

あれから六十年

十五歳で炭鉱の町をあとにして ずっと戦ってきた

みかん一個で3分 いままで1億50万個だ

シュワッチ!