2018-06-08から1日間の記事一覧

「子午線」(1961年)より

もしかすると、どのような詩にもその「睦月廿日」が書きこまれてある、といえるのではないでしょうか? もしかすると、今日書かれている詩の新しさは、まさしくこの点に――つまり、そこにおいてこそもっとも明確にそのような日付が記憶されつづけるべく試みら…

「詩は……」より(1970年)

詩はもはやみずからを押しつけようとするものではなく、みずから曝そうとするものである。

「ハンス・ベンダーへの手紙」(1961年)より

わたしたちは暗い空のもとに生きています。そして――人間と呼べる人間は僅かしかいません。おそらくそのために詩もこんなに僅かなのでしょう。

「ハンザ自由都市ブレーメン文学賞受賞の際の挨拶」(1958年)から

もろもろの喪失のなかで、ただ「言葉」だけが、手に届くもの、身近なもの、失われていないものとして残りました。 (中略) しかしその言葉にしても、みずからのあてどなさの中を、おそるべき沈黙の中を、死をもたらす弁舌の千もの闇の中を来なければなりま…