厄介なこと

ちっとも学ばない。今度は豆腐チゲを作りすぎて、明日まで三日連続チゲ食。おでんほどは、つらくない。

「どんなに人は、千差万別あるとはいえ、私のことを分ってくれ、ほんとの私はこれだ、と訴えつづけていることだろう。わざと隠しながら、分ってくれ、見つけ出してくれと願っている厄介なものもある。そういう人間でこの世ができているとしたら、いったいどういうことになっているのか」

「誰だってこの世に生きている以上、それなりに厳然と生きているにちがいない。しかしそのことをどうやって書きあらわすことが出来ようか」

分って欲しいと陰に陽に訴えながら、厳然と生きている人間たちの中に生きる厄介、そのなかで言葉を吐き出していく難儀。小島信夫「私の作家遍歴」を読み返しながら、この厄介極まりない作家の言葉を追いながら、考え込む。それが楽しくもある。

水牛老師聞き書き本、粗稿完成。明日から翻訳ものに取り掛かる。