チューニング

この世には「ラジオの国」という国がある。いくら探し求めても見つからない国で、できるのはその国から送られてくる声にただ耳を傾けること。この世にはラジオの国から追放された人間たちがいて、彼らは永久に電波を手探りし続ける放浪者になる。もしかして、いつか奇跡的にうまいことチューニングが合うと、ラジオの国に戻ることのできる回路が開くらしい。ほとんど夢に近いことらしい。そのようにサム・シェパードは、「モーテル・クロニクルズ」に書いている。私も行ってみたい「ラジオの国」。これまでのところはずっとバッドチューニング。

本日深夜12時が恵泉女学園大学文芸創作クラスの作品提出締切、見込みとしては、12時直前に大量滑り込みがあるはず。待ち構える。型とかテクニックとか飾りとかにかき消されない、「声」。それを待ち構えている。「声」をのみ込んで文字を書く、というようなつまらぬことをせぬように、学生たちにかなり呪いをかけた成果は如何?

今夜は野菜たっぷりコンソメスープ、これはきのう今日と2日で完食。