2010-09-01から1ヶ月間の記事一覧

物語

『済州島巫俗の研究』(玄容駿著 第一書房)を読んでいる。済州島で見たクッ(=굿 巫儀)の想い起こしつつ。玄容駿氏の述べるところによれば、シャーマンたる神房(シンバン)がクッの場に神を迎えるにあたって、二つの儀礼形式が複合しているのだという。…

千葉市美術館に、ドライブがてら田中一村展を観に行く。本日が最終日。列をなして人々がやってきていることに驚いた。一村がこんなに一般レベルで注目を集めていたとは。迂闊。6歳で南画を描き始め、神童と呼ばれていた少年時代から、東京芸大に入学するも…

対話という約束

いきなり夏が飛び去った。きっぱりと秋が来た。寒い。こういう日は、やや人恋しい心持になる。ここ数日、文芸創作の学生たちから、続々作品提出。テクニカルな部分、表現上のこまごまとしたことへの注文はもちろんあるけれども、それよりも彼女たちの生の核…

天からの贈り物

久しぶりの休日。今日は9月14日に生まれた孫(!)に会いに行った。孫誕生の報に親しい詩人がある韓国の作家の言葉を贈ってくれた。「孫とは、天が老年にくださる最後の贈り物」。そうなのだろう。老年(=人生の新しいステージと言い変えよう)にいまひと…

詩を書く野蛮人

初校ゲラ420ページを一通り見て、東中野に「祝の島」(http://www.hourinoshima.com/)を観にいく。本日が最終日で、なんとか滑り込みセーフ。漁師の民ちゃんに場を持っていかれたバギやん、ちょっと可哀想だったな。と、映画の本筋からはずれた感想から書き…

“父”たち

相変わらずの猛暑。二週間前に熱中症で倒れた姉が、熱中症がきっかけとなって急性腎不全を起こし、すぐにでも透析を受けねば命に関わるというような事態となり、ここ数日ひどくバタバタしていた。人間の体というのは、一回バランスを崩すと、そのままあっと…

筆でクッをする

済州島写真の整理をしようと眺めてみれば、う〜む、どれもこれも、なんだか、境目の世界のようなものばかりで、私はいったい何処に行ってきたのかと、思わず呟く。神を降ろして執り行う慰霊の儀式である「クッ」にはじまり、イオド(=幻の島)を捜し求めて…