2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧

いま、「問いを立ち上げる」ということを考えている。 それは概念を創りだすことなのだと、気づかされる。ドゥルーズを解読する國分功一郎の『ドゥルーズの哲学原理』を手掛かりに。

以下、読書メモ。 「哲学者は問いを批判することによって問いを発見し、概念を創造する。」 (『ドゥルーズの哲学原理』第Ⅰ章より。) 「精神はどのようにして一つの主体へと生成するのか?」 これがドゥルーズが経験論哲学のヒュームから見いだした、発生へ…

そうか、ほんとうに生きるためには<野垂れ死にの精神>が必要なのだ。と痛切に思う。これは「問いの書」。生き惑え、生きなおせ、そのためには他の誰でもない自分の目で世界を観よ、自分の体で世界を感じとれ、と覚悟を突きつける「問いの書」。 

金満里。1953年生まれ。在日朝鮮人二世。母親は朝鮮古典舞踊の芸能者。 三歳でポリオを発症し、首から下が麻痺という重度障害を生きることになった。 そして今は演者は身障者だけの劇団態変の主宰者。 その人生の身世打鈴を読む。 ・施設に隔離されるように…

熊本日日新聞2019年1月6日掲載。

『建設現場』は、『現実宿り』からの大きな流れから生まれ出たもの、 だから、『現実宿り』から読むと、この世界には入りやすいと思う

「これは私の記憶なのか。それとも場所そのものの、島そのものの記憶なのか。場所の記憶が、島の記憶が私に喚びかけ、働きかけているのか」

明治以前、西の高野山とも呼ばれ、修験道の島であった「遅島」の記憶。 昭和の戦前の時代に、その記憶は既に遠いものとなっている。というのも、明治初年に、修験と神仏習合の世界が明治政府の神仏分離令とそれによって引き起こされた苛烈な廃仏毀釈によって…

民俗的な世界においては土器を制作するのもまた女性たちの仕事です。

「土器を造る火、「外」から得られたものを人間世界に有効にもたらす火、これらは女性に統べられることで生産の火と見なされうるものです。」 この「生産の火」と対極の「破壊の火」を扱うものとしての男性性を中島智は語る。 そして、生産の火と破壊の火を…

重要なのは両者(寓話・象徴)ともに世界の多様性が安易に一義化されてはいないということです。

●これ(↑↑)はアフリカのセヌフォ族のフィールドワークに入った中島智の言葉。 この言葉は、さらにこう続く。「そういうわけでセヌフォの人びとも文字を学んだ者に対しては基本的に秘儀を伝授しません。これは意味の一義化、固定化の指向を招くものだからで…