2024-02-08から1日間の記事一覧

旗のない文学――朝鮮 / 「日本語」文学が生まれた場所 

面白いな。 金達寿ら横須賀在の朝鮮人たちは、解放後すぐに旗を作ろうとして、太極旗の四隅の「卦」がわからなくて、それを覚えている古老を探しまわったのだという。 植民地の民に、旗なんかなかったんだね、朝鮮人の文学も日の丸以外の旗なんか立てようが…

サハリンの日本語文学 李恢成 /「日本語」の文学が生まれた場所

植民地支配という近代日本の負債を通して、サハリン(樺太)の日本語文学は、非日本人の作家・李恢成へと引きつがれた。 と黒川創は書く。なるほど、確かにそうかもしれない。 1981年にサハリンを訪れた李恢成は、現地で会った師範大学で経済学を教える朝鮮…

「日本語」の文学が生まれた場所 をめぐって

植民地空間に生まれた「日本語文学」は、 やがて、それが、「皇民」か否か、国家に益あるものか否かが問われ始める。 政治権力と文学の関わりのなかで、収まりどころのない宙ぶらりんの意識が、 生みだす文学がある。 言いかえるならば、国家と結びついた確…